この本を読んで本当に英語耳を手に入れることができるの?
この記事をクリックしたということは、これが一番気になるところですよね。ところで英語耳とは一体何でしょう。
この本の著者の松澤氏の言う英語耳とは
試験のためのリスニングのできる耳のことではなく、
「英語を聞いても日本語を聴くときと同じように、なんのストレスもなく100%英語の音が拾える耳」のことです。
この本は、そんな英語耳を手に入れるための勉強法が書かれた本です。
この記事を書いた僕は
オーストラリアの大学院で応用言語学を学び修了しました。今はオーストラリアで生活しています。
長いこと英語を学んできましたが、満足行く英語レベルにはまったく及んでいません。
最近真剣に英語をやり直し中です。
英語耳でネイテイブの英語がわかるか?
この本を読んで本当にそんな英語耳が手に入るかどうか、それについて考えながらこの本を読んでみました。
結論から言うと、努力が必要である😁が可能だと思う。
ということです。まあ、当たり前なんですが。
ただ、
この本を読んでいる人と読んでいない人では
そこにたどり着くまでの時間に大きな差ができると思います。
- 正しい発音のしかた
- リスニングの伸ばし方
がこの本では丁寧に説明されています。
いわゆる英語習得の方法論が書かれています。
そういう意味で、この本は個人的にとてもおすすめできる本です。
著者の松澤氏の耳はネイティブ並
この英語耳の著者、松澤喜好氏はソフト開発のエンジニアだそうです。
英語の学習歴は、
- 中学高校時代に洋楽が好きで100曲以上覚えた
- 卒論は英語の翻訳プログラムに関するもの
- 25歳で英検1級取得
- 28歳で字幕無しで英語の映画がわかるようになった
- 29歳から2年間イギリス駐在
- 帰国後、英語のペーパーバックと映画で勉強
- 2000年から4年間大学生に英語の発音を教える
- 1日平均6時間ぐらいは英語に触れている
そうです。
英語を勉強する上で、音を先に学び、それから文法と語彙を学んだという、
日本の英語教育にはあまりない勉強の仕方をしてきた方です。
ちなみに松澤喜好氏の英語発音講座を以下のチャンネルで見られます。
BatとButのネイティブ発音を聞き分けられますか?
本の中にある一部をここで引用したいと思います。
以下の発音を聞くと2つの音は確かにちょっと違うのだけど、日本語に当てはめるとどちらもバットになってしまうと思います。
Bat(コウモリ)の発音
But(しかし)の発音
この似た音をリスニングで聞いたときの日本人の脳の反応を、著者は以下の2枚の絵を使って説明しています。
↑の図では英語を理解するために大変な集中力が必要です。↓の図ではストレスなしに耳に自然に英語が入ってきます。
この説明を見たとき僕は「ああ、これだったのか」と妙に納得してしまいました。
じつは大学に通っていたとき、英語で講義を数時間聞くたびに、とても疲れている感じがしたからです。
正しい発音が聞き取れない耳でのリスニングは、非常な集中力が必要でつらい、とありました。
この英語耳という本は、ネイティブのように
- 英語を発音したい
- 聞き取れるようになりたい人
向けに書かれた本です。
そのため、試験のための英語というよりも、もっと英語を本質的に言語として勉強したいと考えている人向けかと思います。
この本にはCDがついていて、それで発音の練習ができるようになっています。
ただし
英語耳の価値は著者の松澤さんの英語学習の経験を参考にできる点だと思います。
本の中で推奨されている勉強法を、やるやらないはともかく精読することをおすすめします。
読み物としても面白い!
本全体の文章を通して、松澤さんは本当に英語が好きで勉強を楽しんでいるのだなという感覚が伝わってきます。
僕は英語耳を読んでみて、
英語の勉強をこれから始めるという人に、何冊か学習本をおすすめしなければならないとすれば、間違いなくこの本を紹介したいと思いました。
以下、本の内容を簡単に要約して紹介します。
☆英語耳の内容
はじめに~第1章:リスニングと発音矯正の関係
まず英語耳という本の目的が明確に示されています。
それは、英語を100%聞き取れる英語耳を目指すことです。
日本人にとって英語のリスニングが難しいのは、英語の音の9割が日本語の発音にない音だからです。知らない音は似ているカタカナの音に置き換えてしまいます。この問題の解消を目指します。
リスニング力は
- 音を聞き取る能力
- 聞いて内容を理解能力
に分けられます。
この本では音を聞き取る能力を目指します。
英語学習は壮大な慣れが必要なので、スポーツのように反復練習は必須です。
英語の正しい発音ができるようになるとリスニング力が上がります。
第2章~第4章:発音バイエル
CDを聞きながら英語の発音を学びます。
図解付きで発声のコツが丁寧に解説されています。たとえば
- 英語で子音の発声をするとき、使用する息の量と速さは日本語の数倍になります。
- 英語では子音と母音をはっきりと分けて発音します
など、です。
著者の松澤氏は100回以上練習することを推奨しています。
第2~4章では個別の子音と母音の発音練習。
第5章音声変化
第5章では英単語がつながるときの音声変化について説明されています。
松澤氏によると、発音の音声変化は、
語尾の子音と語頭の母音がつながる
同じ子音が連続するときは2つ目だけ発音する
語尾の子音(破裂音)は消える
あいまい母音は消失ぎみ
[t]は「ら行」に近い音になる
「英語耳」第5章 発音バイエル音声変化
この章を読み終えると、リスニングや発音の難しかった部分が納得できると思います。
YouTubeや英語アプリで簡単に英語に触れられる時代です。音声変化を意識しながらリスニングし、音の真似をして発声練習を繰り返すと、英語の伸びは全く違ってくると思います。
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第6章~第7章:生の英語で発音練習
”Parrot’s Law”という具体的な勉強法の紹介と正しい発音を学んでからの英文読書について解説されています。
[英語耳レビュー]ネイティブみたいに話したい!のまとめ
いかがでしたか。
英語耳は、この本を読んでだけで英語が劇的に伸びる本ではないです。
どちらかというと英語学習方法に価値のある本だと思います。
個人的にはこの本をもっと早く読んでから、勉強したかったと思いますが、今読んでも参考になることがたくさん書かれていました。
この本は努力する方向を教えてくれている本なので、
英語学習者は早い段階で読むべき本です。
ではみなさん、英語の勉強を頑張っていきましょう。
ではよい一日を