メルボルン生活

オーストラリアの小学校教育の様子は?親の視線での考察。

うちには小さい子がいるけど、オーストラリアに転勤があるかもしれない。

親日国とは聞いたけど、オーストラリアの学校での雰囲気がわかったら少しは安心できるかも。

そんな不安を持つ方へ向けて記事を書いてみました。

筆者はオーストラリアに住んで18年たちます。簡単にこの記事に関係する経歴を書きます。

オーストラリアに来てすぐ、シドニーの語学学校で半年ほど勉強しました。

語学学校ですが大学の付属ですので公的な教育機関の色合いもあるアカデミックな学校でした。そこで合計8人の先生から英語を教わりました。

それから大学の教育実習で2つの公立高校で日本語を教えました。

卒業後は3つの公立高校でアシスタントと日本語教師として働きました。

家族構成は妻と子供が2人。上の子が小学一年生、下の子は週3回保育園に通っています。

現在は教師はしていませんが、生徒と教師と親としての目線で学校について考えてみたいと思います。

ぼくとしてはオーストラリアの教育システムは今の所けっこう気に入ってます。

今はビクトリア州のメルボルンに住んでいて、州によって少しづつシステムはちがいますけど、うちの子供の学校について、じっさい体験して感じていることもありますので、できるかぎりお伝えしたいと思います。

★小学校に入る前から、プレゼン? ショウ・アンド・テル

うちの娘は、2歳ぐらいまで人見知りがひどくて、知らない人を前にすると大きな声で泣いてしまう子でした。

そんな娘ですが、ある日、3歳前だったと思いますが、保育園で「ショウ・アンド・テル」をすると娘から聞きました。

ショウは見せること(Show )テルは話すこと(Tell)。つまり何かを「見せて話す」というクラス活動のことで、クラスメイトに向かってそれをやる、いわゆるプレゼンのようなものです。

やりかたは家からオモチャでも何でも良いから持っていってクラスのみんなの前に立って、それについてちょっと話すって言うことらしいです。

まわりの仲のいいお母さんたちから、ウチの娘ほど人見知りの激しい子はちょっといない、と言われていたので、大丈夫かなと思ったのですが、娘に聞いてみると自分の番が来るのを楽しみにしていると。。。

これは単純に成長の過程なのかもしれませんが、オーストラリアの先生が非常に子供にやさしくて接しているのは、それまでちょこちょこ見ていましたし、子供ひとりひとりに上手にフィードバックを出すので、ウチの娘もほめてもらいたいんだろうなと感じました。

「ショウ・アンド・テル」はオーストラリアの幼児に対する教育活動のなかの一つで、保育園から幼稚園にかけてのアクティビティです。

アットホームな雰囲気の中でやるせいか、娘を見ていると、人前で話すことに対する抵抗よりも先生や他の生徒に承認される嬉しさのほうが大きいような気がします。

★オーストラリアの小学校の教育制度

ちなみにオーストラリアの教育制度はそれぞれの州で若干違っているのですが、僕たちの住むメルボルン、つまりビクトリア州では、

1月末あたりから新学期が始まります。新学期の初日にぼくは娘を学校に送っていったのですが、久しぶりに友達に会えた子どもたちがみんな浮かれてて、抱き合ったり、奇声あげてきゃーきゃー言ってました。そして、

小学校は

1つの学期が10週間。トータルで4学期。

それぞれの学期の間に2週間の休みがあり、

最後の学期が短くて、12月の中頃学年が終わり、

夏休みが始まります。

ちなみにうちの娘は今年7歳になります。

ビクトリア州の小学1年生は、基本的にその年の5月に7歳になる子供、5月前に7歳になる子は2年生になります。

ですが、入学時期は多少は融通がきくそうです。子供の学力などを考慮して、学校と相談して早く卒業したい子は上の学年、一年遅らせたい子は下の学年などというふうに調整できるのだそうです。

★オーストラリアの小学校のテストは、西欧式の加点式。

欧米式の教育では文章を書くことは必須です。

子供の小学校の作文ノートを見ると、小学校の先生が添削してくれています。

娘は6歳なので、今年一年生に上がったばかり。なので、作文と言っても書いてある内容といえば、

「家族と犬と公園に行った。そこで父親と遊具で遊んだ。とても楽しかった」といった内容ですが、単語のスペルなんて間違えてばかりです。

で、英作文のクラスでの様子を娘に聞いたら、

生徒が作文を終えると黙って手を挙げる。

すると先生がとなりにやってきて、スペルを見て正解なら「✔」をする。

正答の単語の上にどんどんどんどん「✔」を入れる。

日本では「✔」は「✗」(バツ)と一緒だけど、オーストラリアの「✔」は「◎」です。「正解」とか「よく出来ました」って意味です。

で間違っているところに「✗」はつけないです。間違ったスペリングの下にそっと正しいスペリングを書いて、あとでそのわからなかった単語を練習します。

この採点方法の良いところは「✔」は子供にとって「加点されている」という意識を植えるということです。

娘に「✔」もらうと嬉しいよねって聞いたら、嬉しいと言ってました。

子供は嬉しいから、もっと「✔」をもらおうとします。ですから先生はどんどんどんどん「✔」を入れます。

これは良いサイクルですよね。

基本的にオーストラリアの教育はイギリス方式がベースにありますので、欧米式の褒めて育てるスタンスです。これはもう教育機関というより社会全体の常識という感じがします。

★自己肯定感をあげる小学校教育。

子供が失敗したときでも、オーストラリアでは悪意がない場合には基本的にひとこと肯定的な言葉をかけます。

グッド・トライ(よくやった)とか言って。

クラスで発表した意見が、ときどき的外れだったりしても、うーん良いポイントだね、と言って、先生はそれに関するポジティブな短いコメントを出します。

そして、おもむろに授業を次に勧めていきます。

失敗しても恥ずかしいと思う必要はないのです。

★幼稚園でiPadって早くない?

娘の小学校では2019年からiPadをプレップの生徒から持たせることになりました。

プレップっていうのは日本でいう幼稚園の年長さんの歳なんですが、小学生に上がる準備期間というのでしょうか、小学校の校舎で授業をします。0年生ってことです。

最初、幼稚園の年長にiPadはちょっと早いんじゃない?って思いましたが、授業でのアクティビティなどをビデオにとって配信したり、なかなか有効に使っているようです。

書くほうがおろそかにならないかと思いましたが、きちんと時間割でしっかりやられているようで、伝統的な勉強法とテクノロジーとのバランスがうまく取れているようだと思いました

まとめ:オーストラリアの小学校教育の様子は?親の視線での考察。

いかがでしたか。

オーストラリアの子供は得てしてのびのび勉強している感じがします。

前述したとおり、なんと言っても子供の気持ちをとても尊重している感じがして良いですね。一歩間違えると甘やかすことになりますが、長い目で見たら、甘いくらいのほうがいいのかなって気もします。

では、良い一日を。

みなみかぜ

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